[1.曲について]
強烈な歌詞、そして曲調をもつ有名なプロパガンダ曲・「ハイル・ヒトラー」。ドレスデンのブルーノ・シェスタークという人物によって作詞・作曲され、1927年ヒトラーに献呈されたものです。(ingeb.orgでは1937年とされていますが、原資料によると1927年となっています)
一瞥して過激な内容が目を引きます。「ユダヤ人を追放せよ」などと公共電波に流すなんて電波すぎ。
「アーリア」といえば、言語学に由来する言葉が人種論に転用された不思議な例ですが、ここでは「ドイツ」とほぼ同様の意味で用いられています。これはヒトラーがドイツ人とアーリア人を同一視していたのに由来するのかもしれません。このアーリア人に対称をなすといわれていたのがユダヤ人でした。この歌詞でもアーリア対ユダヤという構図が浮かび上がっています。
<参考関連文献>
・続・わが闘争―生存圏と領土問題
・アーリアンとは何か―その虚構と真実
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[2.訳について]
意味がどうこうというより、激しいメロディーの中に過激な言葉が流れてるって感じですね。聞いている側に要求されているのは、意味の把握よりもトリップなのでしょう。事実、ナチスの思想についてのある程度の理解がなければ、前後関係が滅茶苦茶だと思い兼ねない歌詞です。
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