血液型の分類にはABO型以外にもRh+-型やMN型など様々な分け方がある。ABO型の分類は赤血球に関するものだが、白血球についてはヒト白血球型抗原(HLA)型と呼ばれる種類があり、その組み合わせは数万種類あると言われている。
脳への影響
脳にはABO血液型物質は存在しないが、弱い抗原抗体反応は起こるため、なんらかの類似物質が脳に存在する可能性は否定できないという説もあるが、推測の域を出ない。
疾患への影響
白血球のHLA型により罹患しやすい疾病はあることが知られており、ABO型においてもそれぞれ性格よりも「体質」や罹患しやすい「病気」に影響があるとの研究が1980年代では持てはやされていたが、ヒトゲノムが終了しつつあった2000年、科学雑誌「nature」にてABO式と病気の関連性について否定的な結論が発表された。 前出の「血液型別ダイエット」もこの一環で提唱されたものであり、決して性格の違いを問うものではない。この考え方が正しいとすれば、血液型はまず体質に影響を及ぼし、次いで体質が性格や人格形成に影響を及ぼすものであると考えられなくはないと主張するものもいる。
心理学
心理学の分野において、血液型と性格(パーソナリティ)との関連について、現在の日本におけるようなステレオタイプ的な相関関係は確認されていないという事実がある。
様々な研究結果で血液型とパーソナリティの関連性があるという結果が出なかったため、「血液型と性格は関係がない」というのが心理学の分野での常識になっている。
パーソナリティの類型論(体型など、本来パーソナリティとは関係ない要素をパーソナリティと結びつけようとする理論)の誤りの事例のひとつとして、心理学教育の場で血液型性格判断が紹介されることが少なくない。
1990年11月21日の朝日新聞11面には、「三菱電機発案者の伊藤円冗通信機器事業部長(当時)が血液型をもとにAB型のプロジェクト・チームを結成しており、ヒット商品の開発を目指している」と、真面目かつ好意的に報道された。しかし、このプロジェクトは結局、常設されることなく終わったようである。
就職や配属をABO式血液型で判断している会社、子供の結婚相手は特定の血液型でなければならないという親、血液型別に色の違う帽子をかぶらせている保育園などの例もある。
遺伝的形質によってのみ個人を判断し差別する例が見られることが問題とされる。
田崎晴明・学習院大教授(統計物理学)の提案により、血液型性格分類など「科学的に見える非科学」にどう対応すべきか考えるシンポジウムが日本物理学会(佐藤勝彦会長)によって愛媛大学(松山市)で開かれた。血液型性格分類を「信じているように振舞う人の動機は何か」という社会心理学的考察も近年では主流になりつつある。